不思議な生え方をするレモンの芽
レモンの芽が出て、植えかえをした。
そんな中、よく芽を見たらなんだか不思議な生え方してる。
種から芽が出るときって、双葉に種の皮がくっついていて、双葉が大きくなると種の皮がぽろりと落ちるイメージだった。
実際トマトはそういう芽だった。いつまでたっても種の皮がついたままになっている芽があって、どうしたものかと首をかしげたのもあった。
でもレモンは、なんだこれ?種から、根と芽がそれぞれ出てる?
種の部分が中に浮くみたいになって、そこから芽と根がそれぞれ地中と空中に向かって生えている。
レモンが特別なのか?果樹や木全般こんな生え方するのか?
栗は普通に芽が出てきた。柿はどうだったか覚えてない…。うーん。
今のところ芽は色もきれいで艶もあって元気に育っている様子。
今後この種部分がどうなって行くのかよく見ておこう。
植えかえたレモンは5,6本あるので、そのうちどれか一つくらいは実をつけるところまで大きくなってほしい。ひとつと言わず全部そうなってほしいけど。
※
暑い日の朝。ゆるい坂道を自転車で登っていた時のこと。
反対側から自転車に乗ったおじいちゃんが、坂を下ってきた。
その日は朝から暑くて、おじいちゃんはタンクトップ一枚、片手にはうちわをもっていた。
頭には、日差しを遮るつばの大きな麦わら帽子がのっている。
そしてその自転車のかごには、姿勢を正した柴犬がお座りしていた。
いわゆる、お座り、の体制で自転車のかごに収まるその柴犬は、姿勢を崩さず慣れた様子で自転車に乗っている。
その柴犬の頭、つまり耳と耳の間には、何かがのっかっていた。
遠くから見るとよくわからないが、近づくにつれそれがなんだかはっきりわかった。
柴犬の頭には、小さな麦わら帽子がのっていた。
自転車を漕ぐおじいちゃんの頭にも、麦わら帽子。
自転車のかごに乗る柴犬の頭にも、麦わら帽子。
ペアルックのおじいちゃんと柴犬は、表情一つ変えることなく、そのまま通り過ぎていった。
とても自然に去って行ったが、私の頭にはその光景と、ひとつの疑問が頭から離れなかった。
柴犬の麦わら帽子、どこで買ったんだろう。
小さな麦わら帽子が売っていたのか、麦わらの小物を帽子に見立てて乗っけているのか、はたまたおじいちゃんの手作りか。
手作りだとしたら、それはそれですごい。
柴犬も頭が暑いだろうな、と思ってせっせとおじいちゃんが作ってやったんだろう。
耳と耳の間に収まるように、サイズを調整しながら編んだのだとしたら、なかなか器用なおじいちゃんだ。
その日は本当に暑かったから、柴犬にも麦わら帽子をのせてやり、暑さ対策をしてやったのだろう。
優しいおじいちゃんだ。これからも元気に二人で自転車に乗ってほしいものだ。
ただ、柴犬の麦わら帽子は、日差しを全く遮っていなかった。
おわり。